気持ちの昇華(1)

 

今のところ、最初で最後。これまでにないくらい好きな人がいた。歳は少し離れていた、大人の男性で、私の目には素敵に映っていた。たぶん、ずっと片思いだった。私のことを好きなようなそうじゃないような。今思えば、適当に構われていただけなのかもしれない。そんな好きな人に会えなくなってからが数年がたった。彼のおかげで、初めて知ったことは無条件で人を好きになるということ。ダメだなと思ってしまうところでさえも、好きで仕方なかった。

 

一方的に気持ちを伝えてから離れることになった。正しい返事はもらえず、フラれることすらなかった。会うことができなくなってもその気持ちはずっと変わらなかった。自分を苦しめてしまうくらい気持ちを膨らませてしまった。

違う人を好きになれば忘れられる。

趣味に打ち込めば男なんて忘れられる。

時が解決してくれる。

調べれば対処方法はいくらでも出てきた。もちろん色々試してみた。次の男だ!!と意気込み自分のことを好きそうな男性と仲良くなってみた。元から気が多いタイプの自分は恋愛も進んですることができた。しかし、これが逆効果であった。人は好きになろうとしてなるものじゃない、好きになってしまうものだ。『~だから、好き』という考え方で誰かを好きになったとしても、大好きだった彼を超えることはできるはずがない。無条件に彼が好きだったから。彼のこと以上に誰かを好きになることはできないのではないだろうかと思ってしまい余計に気持ちが沈んでしまった。一人の人のことをずっと忘れられない、増大してしまっているのではないかとまで思うほど気持ちがパンパンに膨れ上がっていた。本当に辛かった。

自分ではどうしようもなくなってカウンセラーの先生に相談にいってみた。