夢と現実の狭間

 

自己啓発類の本を読むことが多々ある。よく書かれている内容として、失敗を恐れずやりたいことをやろう!人生は一度きりだと書かれているものがあげられる。やりたいことをやって生きていける人生は確かに素敵だと思う。やりたいことでお金をもらって生活して時々旅行なんかに行ってみたりして。誰もが憧れるが、現実は特にやりたいわけでもない仕事を生活のために週5で8時間、計40時間+αを費やしている。それによって疲れてしまい、やりたことどころではなくなってしまう人も多々いる。私も、生活のために仕事をしている。仕事が好きなわけではない。

 

私が欲しいものは『自由』だ。ある程度の自由のためには、お金が必要なのも事実だ。

仮にやりたいことをやるために仕事を辞めたとする。私の生活には見えないところでもお金がかかっている。年金、保険、所得税、住民税、生きているだけでお金がかかる。これらを支払うためにはバイトなどをしてそこそこの額を稼がなければならない。そう考えると、仕事を辞めたとしても時間を少なからず犠牲にしなければならない。下手をすると、今の通り仕事をしている方がうまく時間を算出できるのかもしれない。

時間の自由を欲しているのに、結果として時間の自由度は変わらず、お金の自由度を下げる結果になってしまう可能性もある。

 

夢もやりたいこともある。本の中の人は、勇気をもって変化することを勧めてくる。夢にまっすぐに生きている友人も、何とかなるよ、やりたいことをやらないなんてもったいないよと教えてくれる。その考えもすごくよくわかる。人生は一度しかなくて、今が一番若い瞬間だから、動けるのは今のうちだといわんばかりに後押しされる。

でも、ひとつだけ、動けない人間だってたくさんいる。大きな変化なんて怖いのは人間の本能として当たり前の感情だ。現実から夢は近いようで遠い。(できる人は)いきなりの変化がある人生も良いが、今の状態を保ちながら、少しずつ少しずつ夢を手繰り寄せる生き方も悪くはない生き方だと思う。